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自分事化する範囲が人によって全然違うよねという話

Posted on
2024-04-27
Categorized in
リーダーシップ・マネジメント

ちょっと前にエンジニアリングマネージャーな方と、「初期に入社した人は事業全体を自分事化できているが、歴が短い人ほど自分事化する範囲が狭かったり、オーナーシップが薄かったりするよね」という話をしていた。
で、ここ最近また違う方とも同じような話をしたので、いくつか気付きや思ったことをまとめておく。

そもそも自分事化する範囲とは


会社で働いている以上、自分のミッションだったり目標だったりがあると思うが、自分さえ良ければ後はどうでも良いのかどうか。あるいはチームが良ければ、部署が良ければ、みたいな感じで、人によってどこを起点にして何のために働くのか、何を目指して改善したりするのか?が違う。

例えばチームのミッションとして「Aという領域のCVR改善!」みたいなものを持っていたとして、社内で「法改正に伴って利用規約を変えるので誰か対応をお願いします!」みたいなタスクが発生したとする。
この時、事業全体の視点から見ると「利用規約の変更」というタスクは事業継続性を維持するために欠かせないタスクであり、誰かがやらねばならいものになる。だけど、自チームの視点から見ると、「CVRに影響を与えない、自チームのミッションからは外れた差し込みタスク」という見え方になる。

そりゃあ当然会社全体の視点から見る方が良いよねって思うところだけど、案外自チームやあるいは自分の部署からの視点で見て、「このタスクは本当に対応する必要あるんです?」みたいな意見をする人はそれなりにいるように思う。
視点をより上位の概念に上げれば上げるほど(=視座を上げるほど)視野も広がって、より事業全体の影響度から判断ができるようになったりする。
つまり、

  • 視座の高さどれだけ上げられるか
  • 視野の広さをどれだけ広げられるか

の2点が、自分事化する範囲に繋がっているということなんだと思う。

自分事化する範囲はどのようにして作られるか


言い換えると、視座の高さや視野の広さはどこから来るか?ということ。ここはその人のこれまでの経験と、特性によって決まるのかなと思っている。

経験の部分で言うと、それこそスタートアップの立ち上げを経験したり、CTOやCPOを経験していたり、何かしら経営に関わるようなことなどは、視座と視野の両方が求められる。この手の経験がある人は総じて自分事化する範囲も広い。あるいは、自分より視座の高い人から何かしらの気付きをもらって、自身の視座も高まるようなケースもある。

特性に関しては、範囲がどうこう以前に、人によって向きがあるよねというのを最近聞いて、なるほどなと思った。
外向きの人もいれば、内向きの人もいて、このベースの向きというのは外からは中々変え難い。

外向きの人は自ら範囲を広げていったり、ちょっと示唆をあげればそれを起点にしたり、能動的に動いていく。あるいはポジションを与えることで視座が上がって、範囲も広がることもある。
逆に内向きの人の場合、外からあれこれ言っても中々範囲を広げたりはしてくれない。それどころか場合によってはどんどん狭めようとする場合もある。そもそも視座を上げられない人と、分かってて敢えて上げようとしない人とでさらに分かれそう。

自分事化する範囲は広げられるのか?


視座と視点からくる視野≒自分事化する範囲と考えるなら、視座を上げて視野を広げてあげれば良いはず。

外向きな人はポジションを与えたり、その人が持っていない視点を教えてあげたり、何かしら経験をさせてあげれば、おのずと広がっていく。
内向きな人に対して同じような広げ方をしようとしても反発されたりなので、視点をずらしてみている範囲を変えてあげるとかになるのかなと思っている。Aという領域を見ていた人を、Bの領域を見るようにしてもらうとか。視座が上がっているわけではないが、多くの場合、Aのことも考慮しながらBの領域の意思決定をしてくれるようになると思う。たぶん。

範囲のキャパシティ


視座の高さどれだけ上げられるか、視野の広さをどれだけ広げられるか。外向きであれ内向きであれ、限界というかキャパシティみたいなものは存在すると思うので、自身のキャパシティはどのくらいなのか?を自分で客観的に把握しておくのも大事なんだろうなーと。それによって、会社や事業に対してどのくらいレバレッジを効かせるのか?どんな働き方やキャリアを選ぶのか?にもつながりそう。